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えりまきとかげ
えりまきとかげ
novelistID. 42963
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うすい

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私は薄い。

学生だった頃からそうだった。
お弁当食べる時はいつも独りだったし、放課も帰り道も独り。家に帰っても独り。
誰かが私に話かける何てことは全くなかった。親でさえも。


私の机がクラスから無くなっていたこともあった。でもそれはいじめとか嫌がらせでされた訳ではなく、私の存在がみんなの中から消されちゃってたってだけだった。もちろん先生も忘れてた。机は自分で戻した。みんなは机が戻った事も気付いてなかった。


成人した今でも私は薄い。
今の方が薄いかも知れない。
もう誰とも関わらずに生活している。
ここ数年誰かに話しかけられた記憶が無い。
その上私は極度の人見知りでもあるため、自分から誰かに話かけるなんてとてもじゃないけど出来ない。そして買い物も出来ない。



最近思う。
私は本当は死んでいるのでは無いだろうか。


誰も私の存在を知っていないし、


風邪にも病気にもならないし、


食事はしてなくても平気だし、


夜も眠くならないし、


人をナイフで刺しても捕まらないし、


ずっと好きだった彼もこんなに近くにいるのに気付いてくれないし、


そして何より、私は薄い。
作品名:うすい 作家名:えりまきとかげ