がらくた仕掛けの海岸線
はじまりのはじまり
そして僕は意を決して
早朝の駅前でジェリービーンズをばら撒いた
不揃いな回転に張り詰めた空気は破裂して
ため息を吐くよりゆっくりと
メタリックな街並みは砕けていった
ヒステリックに砕けて散った
(さようなら
僕にとって最後まで不確かだった少女達)
(さようなら
夢を――そう、悪夢でさえもだ!――忘れさせてくれた読みかけのラヴクラフト)
(さようなら
優しい詩をくれた顔も思い出せないあなた)
ひどく曖昧な破壊に飲まれて
世界はぐにゃりと歪んでいった
不思議と静かな終わりを見つめて
君はまるでガラクタのようだと笑った
まるでガラクタのように笑った
ただ、最後の最後に
見上げた空がピンクに染まったのは僕にも計算外で
その粋な計らいに不覚にも涙がこぼれた
(笑い疲れたように目を伏せた君と
この終わりを焼きつけようと涙を拭った僕)
――――再構成まで、1秒
(そしてめをさましたら
ぼくは、もいちどきみとであおう
ぼくは、わらってきみとであおう)
作品名:がらくた仕掛けの海岸線 作家名:リーヤ