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エレンディラ
エレンディラ
novelistID. 38393
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あの時

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僕は子供の頃から川の流れを見つめるのが好きだった

川の流れは様々に表情を変えるからだ

昔見た川と

今見る川の美しさは異なる

でも川面の淡々とした表情は

今も昔も変わらないのかもしれない

風が吹けば漣が立ち

太陽の光がそれに黒真珠のように輝く神秘さを添える

風がおさまれば

川面は真っ青な空の表情を描き出す

夜には

様々な表情の月の表情が映し出されてゆく

川辺に寝そべり

大の字になる

そこには

あの日のままの僕がいることに気づく

一人であるが故に何かに怯え

涙を流し

夜の街を裸足で徘徊した幼い頃の僕を思い出す

あの日

僕は何を探そうとして

夜の街に飛び出したのだろう

今も脳裏から離れないあの日

本当の涙を流した日

小さな足から

血を流したあの日


作品名:あの時 作家名:エレンディラ