うたかた
若い頃に彼を思って泣いた時、そして自分の本当の生活を始めて夫と共に子育てをし、憎んだり笑ったりして今まできた数十年も一つの過程のように感じる。
これから死ぬまでの年月はどのように過ぎて行くのだろうか。泡沫の人の命は心の芯まで届く思いを秘めて終わって行くのだろう。
好きでも別れがあり、結ばれても又死という別れがあること、そんなことを考えていたら自分が宇宙の微生物のように思えたり、、川の流れにふと止まって浮いたり沈んだりしている欠片の一つだと、それが自分だったんだとそう思ったりする。
何も悲しまなくていいのだ。
それがこの宇宙の必然的な生体なのだから。
H24.10月執筆