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人生とは長いようで短いものだ。
もう何十年も前の子供の頃のこと、おぼろげながら中学生の頃のこと、そして高校生の頃のことはもっとはっきり覚えている。

高校を卒業して音大に入学はしたものの体調を崩して通学はできぬまま三年の後に退学した。そして私は地元の栄養学校へ通いながら母の元で徐々に健康を取り戻した。

栄養学校の二年生の時、精神病院で栄養士の資格取得の為の実習があった。そしてその病院でたまたま用事で来ていた支所の事務長だった青年と出合った。
まさか彼が私の永遠の恋人になるとはその時思いもしなかった。

お互いが結婚したいと思った一瞬もあったけれど、縁がなかったのだろう。私達は会って別れるまでに二カ月ほどしか経っていなかった。それが故に私の胸の中にいつまでも居続ける彼の存在。

私は幼稚な精神を持ち、成熟した男の人を心身共に満足をさせることができるような人間ではなかったし、色々の事情で彼は私の元から去っていった。その時のことを思い返すと、今でもリアルに当時の状況が浮かび切なさがこみあげてくる。