小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

雨


光を吸い込んだ雲が
広がる午後に
君は地上へと
落ちて行った

光の循環
水の循環
拾われた空気に残す水滴

水面を叩く滴に
波紋は広がり
やがて小さな波が
地面を覆う

雨上がりの空
集められた可視光線
喜びのまにまに
ひとときの静寂

取り去られた埃が
地上に還るとき
雫に含まれた塵が
しずかに
水面を揺らす

君は

空へ還る

すべてのものはめぐりゆき
そして君も
再び空から地上へ落ちる

君は何度も
それを繰り返しては
豊穣を
災厄を

ひとのこころ
君は試す

ひとのこころ

君は掴む