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超短編小説  108物語集(継続中)

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 そして2050年、地球にやはり大きな隕石が落ちた。予測が的中したのだ。もちろん人類はこの極寒の地表では暮らせず、地底と天界に分断されてしまった。
 しかし不幸なことに、地上暮らしを断ち切れず居残った人たちは凍死してしまった。日本人で生き残ったのは1、000万人だけだった。その1、000万人も500万人ずつ天と地に分かれた。

 だがこの離間された二つの世界を結ぶエレベーターが開発された。
 ナノチューブで構成されたものであり、軽くて強い。それが地底都市から天上界の宇宙船へと垂直に何本も繋がった。
 その後エレベーターはますます進歩を遂げ、拓馬と佳奈が生きる2320年、より高速となった。

 かって日本には新幹線という電車が水平方向に走っていたらしい。その高速エレベーター、言葉を換えて言えば、かっての新幹線が垂直に走っているようなもの。人々はそれを『新エレ幹線』と呼ぶようになった。