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超短編小説  108物語集(継続中)

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 白から黒猫の食は人間の食欲。
 もし椿子課長がこの猫を飼えば、女史の食欲は食べられ、たとえ食欲の秋であっても体重68キロはキープできるはず。私はこう信じ、浩二の案内で若尾若尾山に足を踏み入れました。

 されどもどうやって捕まえるか?
 ここは浩二の発案で、私は三日三晩絶食を強いられました。
 ああ、何でも良いから口に入れたい、そんな食欲爆発状態でヤツを誘き出し、そこに網を投げて捕まえる。要は私は囮ってとこかな。
「浩二、頼む、お握り一つで良いから食わせてくれよ」
 私は腹ぺこでぶっ倒れそう。

 だが「冬ボー満額獲得のため、頑張れ!」と冷たく浩二に励まされ、半死状態で山の中腹にある滝へと行き着きました。あ〜あ、もう一歩も動けません。私は苔むす岩にもたれかけ、「浩二、もうボーナス諦めるよ」と弱々しく吐いた時です、ニヤ〜オ。
 近くの洞穴から出てきたのか、一匹の白猫が私の足下にすり寄ってきたのです。

 私がよしよしとなでてやると、喉をゴロゴロさせて私の胃袋辺りをなめてきました。これを見ていた浩二、有無を言わせず網を投げ、囮の私もろとも捕獲、しやがった。
 こんな力尽くの作業の後、よろめきながらも無事下山。
 そして椿子課長に白から黒猫を推奨し、課長宅に猫ちゃんは移住。その結果見事に課長の体重は増えず、68キロは維持されました。