超短編小説 108物語集(継続中)
強烈に苛立たせてくれるアンドロイド・パピプペポ、しかし3ヶ月も一緒にいれば、まさにロボの振り見てわが振り直せだ。
徐々にではあるが、無感情でパサパサのヒカラビ男に潤いが生じ始め、ヒヨコネエのせっつきピイピイは素直なハイハイに変わり、プラプラとどこかへ消える雲隠れニーは持ち場に根が生えた。ペラペラと喋ってしまう口まめ女は最近は口を一文字に閉じ、ポキポキと耳障りな指折りあんちゃんはみんなのために骨を折ってくれるようになった。
この結果に自信を得た課長は「可愛いパピプペポ、これでA社開発、ばたばた、びくびく、ぶよぶよ、べこべこ、ぼちぼち、謳い文句は虐めて憂さ晴らし可のサリーマン型ロボ・バビブベボに勝てるぞ、ヨッシャ−!」と拳を堅く握り締めるのだった。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊