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超短編小説  108物語集(継続中)

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 もともと私はサラリーマンだった。だが、あかんたれ、暗い、ぶっきらぼうのAKB。そのせいでクビに。その後、独り生きて行くために選んだ道は、他人との関わり合いがない、パソコンだけに向き合う準相場師。

 なぜ準かって?
 資金は、父が残してくれた田畑を売り払った僅かな金、それをやり繰りしての、日銭を稼ぐデー・トレーダーに。
 プロではないし、もちろん恋人も友達もいない。独りぼっちなのだ。
 会話は、一生顔を合わせることもない、多分同じ境遇のスカイロケット、女神もどき、ジリ高じじいと掲示板上で、ののしりあうだけ。

 
 未来なんて、クソ食らえ!
 毎日の激しい値動きの中で、生き抜くために、今必要なことは、エネルギー補給。牛丼屋に行ってきま〜す。

 私はこうコメントを置いて、安アパートから飛び出した。燦々と降り注ぐ太陽光、それを避けるように歩き、ドアを押し込み、いつものカウンター席へと。
 それに合わせるかのように、やつれた女がやって来て、横に座った。

 スマホ画面に見入っている。そこへ並丼が運ばれ、女は慣れた手付きで紅生姜をてんこ盛りに。おいおいやり過ぎだってばと思ってると、女が潤んだ瞳で突然私に囁いた。「未来って、クソ食らえだよね。だけど、今度一緒に参加してみない?」と。
 それからだ、スマホにある画面を見せてくれた。

 そこにはあった――未来フォーラム交流会、と。

 こいつは絶対に女神もどきだと思わせる女、あとは日々の味気なさをぶっ飛ばすかのように、女神の如く、ふんわりこんと微笑んでくれたのだった。