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超短編小説  108物語集(継続中)

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 さすが百目鬼、この鋭い推理に芹凛は感心した。
 されど基本的なことがわからない。「なぜイズミが犯人でないとわかるのですか?」と直球を投げた。
「ユーリンの着信はイズミのケイタイからだった。もしイズミが犯人だとしたら、すでに亡くなり、草むらに転がる女になんて電話しないだろ。誰かがイズミのケイタイを取り上げ、蜻蛉が易々と発見できるように、そのタイミングを計って掛けたんだよ」

「じゃあ、平貴家を守ろうとする村人の誰かが……、いや犯人がってことね」と芹凛は一旦頷くが、「蛍子は別名、夜光姫と呼ばれてるらしいわ。平家の落人のために、このままそっとしておいて上げるのも良いかも」と感傷の言葉を漏らしてしまった。

 これに百目鬼が鬼の目をギョロッと剥いて指示を発する。
「今夜は闇夜、だから夜光姫がよく光って見える。さっ芹凛、着いてこい、蛍狩りに行くぞ!」