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超短編小説  108物語集(継続中)

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「とにかく第二組は〈だろメン〉と〈どナニワ娘〉です、とにかくだぞ」と社長からの第二弾がありました。もちろん、どナニワ娘は黙ってません。
「ど江戸出身の〈だろメン〉と……、ちゅうんかい! しゃあけど、どイケメンやし、うち、やっぱ――、どマリアージュ!」
 こんなどナニワ娘の叫びに、だろメンからダイヤモンド級の決めゼリフが、――「だろ!」と。そして、どナニワ娘のマッチ棒が10本は乗る付け睫毛に、涙がキラリと光りました。

 だが、社長はこの目出度い空気を読もうともせず、「とにかく第三弾だぞ、ベストカップルは、何があっても返答は一応の〈いちおうアンちゃん〉と、文句大好きな小生意気な〈ちょっとぉネエ〉。毒気だけはどっちもどっちの二人が家庭を持ったら、どんなんかなあ? とチョー面白そうです、とにかくね」と。

「ちょっとぉー!」
 語尾を異常に伸ばし、ちょっとぉネエが素早く反応しました。さらに「なんで私が何でも一応で済まそうとする男と結婚せなあかんのよ、ちょっとぉー!」と大ブーイングが響き渡りました。

 だけど私は以前から、ちょっとぉネエが一応好きだったわけでして、この業務命令に便乗させてもらって、「一応、ブライダルプランを予約しようかな」とポロリと零してしまいました。するとちょっとぉネエが目を潤ませ、「ちょっとぉー!」と睨み付けてきました。

 こんなハチャメチャな展開でしたが、売上貢献のためイキオイとハズミで、一応ちょっとぉネエをものにしたわけでありました。