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超短編小説  108物語集(継続中)

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 高見沢一郎は昼食を終え、デスクで新聞を読んでいた。その横を後輩の榊原が暗い表情でふらふらと通る。部下でもあり、「どうしたんだよ、浮かぬ顔して」と声を掛ける。
 すると、「彼女に、どれくらい愛してますか、って詰め寄られたのですよ」と半泣き状態。
「当然、死ぬほど愛してるって答えたんだろ」
 こんな高見沢の切り返しに、榊原は「そうですが」と頷いた。だがその後、沈痛な面持ちで、「あなた本当に死ねるの、って絡まれたのですよ」と深刻そう。

 高見沢にとって、こんな会話はうざい。無視して新聞に目を落とすと、榊原は目ざとくある広告を見付け、指を差す。
「先輩、夕べ、それを被せられたのですよ。スゴイッしょ」

 今度は一転、なぜか自慢気だ。高見沢は指先の先へと目をやると載っていたのだ、『愛レベ判定器』が。