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超短編小説  108物語集(継続中)

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 ここから必死となり、ソラにケイタイを掛けた。幸運にもやっと繋がった。そして恐々、しかし和む話題で話し掛ける。
「なあソラ、俺たちまだ離婚届は提出してないよな、だからまだ夫婦だろ。今度お寿司を食べに行こうよ。ネタは何がいい?」
 ヒラメキはもう知識を得ていた。雲母星には海がない。だからマグロもウニも生息していない。
 雲母星人のソラはそれらが大好物だ。だが裏切られた夫に、いきなり「お寿司を食べに行こうよ」と誘われても困ってしまう。

 とは言っても、お仕置きの隕石を見事憎き愛人宅にドカーンと命中させてやった。ざまあみろだ。
 気持ちはもうスカッとしているのか、明るい口調で。

「ヒラメキさん、わかってる? 私たちの家は狙わなかったのよ。もう浮気しないと約束してくれたら、ヒラメキさんへの怒気、怒りの気(キ)を取って……、そうね、ヒラメのお寿司がいいわ」
 これは雲母星人のオバちゃんギャグかとヒラメキは思ったが、ここは優しく、「ああ、約束するよ」と。

 そんな時だった。
 ドカーン!

 どうも近所の、似たような夫婦の家に、隕石が落ちたようだ。
 そして熟年妻の呟きが漏れてきた。
「ホント、地球の男って、ちょっと余裕ができると、何をしでかすかわからない生物ね。隕石でお仕置きよ」