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超短編小説  108物語集(継続中)

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「みな様、ただ今より記者会見を開催致します」
 混雑の中、ニュース・コンファレンスが始まった。これから世間をあっと驚かす発表があるという。記者の花木拓馬は熱気ある会場の前列に陣取り、発信される情報は少したりとも取りこぼさないぞと気合いを入れ直した。壇上のプレゼンターは自己紹介をし、あとは記者団が固唾を飲む中、粛々と会見は次へと進む。

「世紀の一大プロジェクトをスタートさせます。その目的は三つあり、一つ目は深海ロボット、つまり日本は海洋国であり、未来に向けて海をもっと活用して行かなければなりません。そのために過酷な条件下でも耐えられる、より高度な頭脳ロボットを開発します。二番目は、長年海底に眠り続けてきた歴史の真実、それを明らかにすることにあります」

 ここまで述べた壇上の男は本プロジェクトの重大さに気持ちが高ぶっているのか、テーブルのお茶をゴクリと飲んだ。それから直立不動となり、三つ目の目的を語り始めた。

「正直申し上げまして……、国民の中に、墓を掘り返すつもりなのかという批判も多くあること、それは承知しております。確かに三千三百柱の御霊(みたま)が今も海深く眠ってます。しかし、この船を引き上げることにより、日本のために戦い、海へと散って行った英霊を謹んで祀らさせて頂きたいと思っております」