さかさまらっか
遠くに白い入道雲が浮かんでいるのが見えるが、誰も助けようとはしてくれない。青い空が目の前に迫ってくる。手を伸ばしても、何も掴めない。
落ちて、落ちて、空にぶつかりそうだ。いや、早く誰かがこの落下を止めてくれないと、このままだと、空に衝突する。空にぶつかると死ぬのか。分からない、でも、もっと別の何かが起こる気がする。
青い。青くて青くて死にそうだ。何でこんなに青いんだろう。空とはこんなに、青いものだったか。
死にそうだ。でも死なない。分かってはいるけれど、清々しく迫ってくる恐怖は、一体何からくるのか。
空が目の前に迫ってくる。違う、最初から空は目の前にある。ただ近い。ああ、誰が言ったのだろう、透き通るような青だなんて。そんなのは嘘だ。空はこうして、落下するこの身を砕こうと、迫って――――……。
やはり死はやってこなかった。ただ、全てが青いまま、