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萌えYシャツでちょっとした話

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最近、仙道君が手を出してくれません。

「(べ、べつに深い意味は無いですけど!急に素っ気なくなったと言うか
くるっ!と思ったらシテくれなくて不完全燃焼にとか・・・あぁ!もうっ)」

飽きてしまったのだろうか?

「(元から自分の容姿には自信がありませんし、仙道君が飽きてしまっても)」

洗面所の鏡に自分を映す
ソコに写るのは茶色の髪をした情けない顔をした自分
大きな丸いめがねなどイマドキの若者からしたらダサくて仕方ないものだろう

ドコをとってもオタクな自分。
ましてや相手は大人びているものの高校生だ

ユジンはそこまで考えて、頭をふった。

「ウジウジしても、しょうがありません!!」

手を出してこないなら、出させればいい
ユジンの一大決心はこうして始まったのである

[newpage]


夜。風呂上がりのユジンはリビングにいる仙道にアプローチをかけた

「せ、仙道くん」
「なんだい・・・」

ユジンの格好に仙道は止まる。

ユジンはドジで買ってしまったTシャツ一枚だけだったからだ。

「ず、ズボンしりませんか?」

「・・・ああ」

ダメだったことにショックを受けるユジン。
うるうるとユジンの目に涙が溜まる。

や、やっぱり、やっぱりやっぱりやっぱり!

ズボンを探していた仙道はそれに気づき、ギョッとした

「ふええ」
「な、なに泣いてるんだい?ユジン」
「えぇえ~ぐすっ」
「ユジン!?」

長い袖で涙を拭い、ユジンは仙道の服を掴んで泣きじゃくる

「せぇ、仙道くんっボクに、飽きたんですねっ」
「はあ?」
「だから、ええ、ふえええ」
「・・・なに言ってんだか」

デコピンっ!

「ふえっいだい」
「なに勘違いしてんだか」

見つかったズボンを押し付けてため息をつく仙道
ヤレヤレとユジンの涙をぬぐい
重い口をやっと開いた

「アンタ、最近残業続きでロクに寝てないだろうが」
「・・・あ・・・」

確かに、仙道の言うとおりだった
海道義光が悪として暗躍していた事が世間にバレて
会社がつぶれ、また出来上がりを繰り返す世間で
なんとかつぶれることを免れた自分の勤める会社では今も尚走り回る状況が続いている

「倒れないか心配してたんだよ」
「仙道君・・・・」

大事な恋人を心配していた仙道
そっぽをむいた彼の頬に優しいキスを落としたユジンだった