あなたの傍にいるから
今日は空一面に雲がかかっている
透明などこまでも透明な
海の水が濁ってしまったようだ
あるいは
透明な誰よりも澄んでいる
あなたの心を曇らせてしまったようにも思える
飛行機が爆音を立てながら飛んで行くが
その機影は雲の上だろう
ぼくがいくら大声を出した所で
あなたの所までは聞こえないことを知っているけれど
秋の碧い空の日に
飛行機に乗って文字を書いてみたいと思う
澄んだ海のジュゴンに
伝えて貰いたいと思う
淋しくなったら海においで
哀しくなったら空を見て欲しい
何時でもぼくはあなたの傍にいるのだからと
何時でもこれからも永遠に
ぼくは君の傍にいるよ
作品名:あなたの傍にいるから 作家名:吉葉ひろし