秋の日にローカル線に乗って
真っ白な蕎麦の花も
今は渋い茶色に変わっている
風に揺れていた稲穂も
今は刈りとられて茎だけが
静かに横たわっている
高原の秋は 色づきはじめた
空は高く やわらかき雲が流れて
夏に登った富士が蒼く見える
ローカル線に乗って小諸まで行った
色づきはじめた葉が風と遊んでいる
千曲川の透明な水に魅せられる
なんてゆっくりとした旅だろう
小海線は動くのを忘れたかのように
駅にじっと止まっている
そうだった
こういう旅に憧れていた
秋の日はずっと長く
夕暮れはわたしを待っていてくれるのだから・・・
作品名:秋の日にローカル線に乗って 作家名:ゆう