もうひとつのIn Heaven
そこは ただ 真っ青な空で 真っ白な雲のじゅうたんが
敷かれているようでどこまでも続いていた
何故だろう その場所はとても暖かくてとても心地がいいんだ
僕は…夢を見ているんだね
きっと 果てしない夢を見続けているようで
とても不思議で 心は穏やかで
時は緩やかに流れているようで
歩く足取りがゆっくりで
僕は…ただ歩いているだけなのに
しばらく歩いていくと
先の方に 白いベンチに座る誰かが見える
少し遠すぎて 僕からは誰なのかわからない
なのに とても懐かしく思うこの気持ちはなんなのだろう
だんだんとそのベンチまで近づいて行く
誰なのかがはっきりと見えてくる
ほほえんで僕を見るその人は
【やあ】
懐かしい声 僕が逢いたかった友人
本当に逢いたかったんだ
抱き合うからだが とても暖かくて綿菓子みたいで
僕の瞳から涙が溢れていく
これは奇跡なのかな
【そうかもしれない】
またあなたに会えるなんて
【人生 時には信じられない事も起きるものだよ】
本当にそうだね
【生きる事は 悪いことも半分 良いことも半分 君はしっかり生きろ】
あなたの分もってことだよね
僕たちはベンチに座り
ただ 何処までも続く真っ青な空をずっと眺めていた
【もう...行かなきゃ】
また会える?
【ああ 会えるよ でも ずっと先になるけどね】
そうなんだ….
【僕は 君のここにいつでもいるよ】
ここにね
僕たちは胸を指差した
涙で...薄れていく景色
涙をぬぐって 瞳を少しづつ開いた
見慣れた部屋の景色
僕は横になっていた体をベッドから起こした
瞳は涙でぬれている
夢なのか…そうだよね
だけど
キッチンへ向かい 冷蔵庫を開けて
ペットボトルの水を飲む
カーテンを開けて窓の外を見る
見渡す空に朝日が顔を出し始めていた
窓を開けると 風が僕の髪を撫でていった
それがとても心地よくて
僕は
哀しいという気持ちより不思議なくらいに幸せな気分だった
そうだ 今日は たくさんの花を買って あなたに会いにいこう
my dear friend.....
作品名:もうひとつのIn Heaven 作家名:蒼井月