入道雲って白さが眩しいよ
有る人はテレビを見て楽しみ、有る人は美味い物を食べて楽しむ。
人それぞれに楽しみがある。
ぼくはテレビも見るし、美味い物も食べる。でもそれよりも良い詩が出来た時の方が、どんな時よりも嬉しいし、楽しい気持ちになる。
きみの吐いた息が
風になって金木犀の青葉に当たる
ざわざわと君の言葉が
香りを浸みこませながらぼくに語ってくれる
青空に入道雲が浮かんでいる
まだ夏は名残おしそうに
日焼けしたきみの体を運んで来る
真っ白なシーツはきみを雲に乗せる
きみは青い空に浮かんで行く
禁じられた恋とは
夏と共に去っていこうとしているのに
さよならが言えなくて
ぼくは入道雲を見ながら
金木犀の葉のすれ合う言葉を聞いている
作品名:入道雲って白さが眩しいよ 作家名:吉葉ひろし