詩集・空への伝言
雲
空の紋様
時に寂しく
時に騒がしく
顔をあげ
正しき道に導かれ
光の筋を
見るいとまもなく
崩れゆく楽園
青の残像
星は語り
ひとかけの氷を浮かべ
移り行く時間に
光の色
時の色彩
明け方に赤色の
夕凪に紫の
蒼の欠片にひとすじの
藍に染まれば星の夜
行き交い浮かぶは
銀の腕
光かくして
覆う空間
拡散されし
風の叫びよ
朝は夜を抱く海原
夜は朝を繋ぐ草原
上昇気流に
かないし氷を
ただ見つめては
言葉なく
蝉の声、うつつに
ひぐらし、夢に
藍色の歌
かなでし胸に
雲、うかぶ