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風香の手帖

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四話 「甘い誘い」



「こーいわーいさーん!」
小岩井が買い物を終え道を歩いていると、後ろから呼ぶ声が聞こえた

振り向くと、風香が制服姿で手を振りながら、自転車でこちらにやってくる。
「どうしたの。制服着て」
「今日は登校日だったの」
風香は自転車から降りて歩き始める。
「小岩井さん、よつばちゃんは?」
「よつばは朝から恵那ちゃんと一緒に、みうらちゃんのところに行ってるよ」
「くす、仲いいですね、あの三人」
「そっちはどうだった? 久しぶりに会って変わってた友達いた?」
「私が変わったって言われました」
「どう変わったって?」
「なんか顔つきとかやさしくなったって」
「そうだねぇ。確かに風香ちゃんに蹴り飛ばされることがなくなってきたから」
「私蹴ってなんかいません!」

 小岩井は改めて風香の制服姿を眺める。
「それにしても、風香ちゃんは制服が似合うねえ」
「え? そうかなあ」
「リボンとミニスカートが風香ちゃんによく合ってる。私服でもミニスカートをよく着てるよね」
「やっぱりかわいいかなと思って。小岩井さんはミニスカートって好きですか?」
「膝上の清楚なスカートも好きだけど、ミニスカートもいいね」
「じゃあ、私がGパンとか履いてたらどうですか?」
「がっかりする」
「正直ですね」
「つまりね、ミニスカートだと見えそうだから、自然と女の子も動作に気をつけるだろ。その仕草がかわいいんだ。Gパンだと見られる心配がないから、あまりそういう仕草が見られない」
「んー、わかるような気もします」

 そのとき突風が吹き、風香のミニスカートの裾が翻る。
「きゃっ!」
風香は慌ててスカートの裾を押さえた。
小岩井を見ると、視線が自分の下半身にある。
「……見ました?」
「うん。ピンクだね」
「色まで言うなー!」

 話をしているうちに二人は家に着いてしまった。
(もっと小岩井さんとお話ししたいな…… そうだ)
「小岩井さん、今忙しい?」
「いや、そうでもないけど」
「夏休みの宿題教えてくれません?」
「いいけど、俺にわかるかなぁ」
「それじゃ、着替えてから行きますね」
家に帰ると、急いでシャワーを浴び着替える。
服は普段着だが、下着はお気に入りのものを着けた。
「さっき見られちゃったから、別な色ね」

 家を出て小岩井家のチャイムを押し、中へ入る。
「こんにちわー。おじゃましま-す」
「風香ちゃん、こっちこっち」
小岩井は居間にいた。
風香は小岩井の隣に座る。
「これなんですけど」
「うわー、数学かー。あまりお役に立てそうにないなぁ」
「宿題は口実で、何でもよかったんです。本当は小岩井さんと、もう少しお話ししたくて」
「えーと、どういう話をしようか」
「もっと小岩井さんのことが知りたいです」
「何かあったっけ」
「だって、私小岩井さんの誕生日も、好きな色も知らないんですよ」
「じゃあ、聞いてくれれば答えるよ」

 風香は次々と質問していき、その答を手帳に書いていった。
「あれ? その手帳は……」
「小岩井さんに買ってもらった物ですよ」
「ああ、そうだったね」
「小岩井さんは、私のこと気にならないの?」
「そりゃ気にならないってことはないけど…… そうだ。風香ちゃんのスリーサイズとカップが知りたい」
「えー、いきなりそっちですかぁ。小岩井さんもやっぱり男の人なんですね」
風香は不満の声を漏らす。
「自分の彼女のスリーサイズを把握しておくことは義務だからねぇ」
「話がよくわからないけど、サイズとカップは……」
風香は頬を染め、小岩井の耳元でささやく。
「へえ、立派なもんだ」
「誰にも言わないでくださいね」
「ああ、もったいないから誰にも教えない」
「やっぱり私ダイエットした方がいいですかね?」
「何で? 俺は今のままで十分スタイルいいと思うけど」
「だって、男の人って細い女性が好きなんでしょう? 小岩井さんも……」
「俺は風香ちゃんのスタイル好きだよ。しかも風香ちゃんまだ十六歳だろ。女の子は二十歳ぐらいになるとウエストも締まって、スタイルももっとよくなる。だから今はそのままでいいと思うよ」
「じゃあ気にしないことにします」
しかしいつも食べているお菓子はひかえておこうと考える風香であった。

 そしていつしか会話が途切れる。
目と目が合い、二人は抱き合って唇を重ねた。
(小岩井さん……小岩井さん……)
いつもより長めのキスに、風香はとろんとしてしまう。
キスがこんなに気持ちがいいものだということを、風香は初めて知った。
「風香ちゃん、石鹸のいい香りがする。シャワー浴びてきた?」
「はい……」
小岩井は風香のミニスカートをめくった。
「あっ」
「下着も替えてるし。もしかしてそのつもりできたとか?」
「そんなこと……ない……」
二人はゆっくりと畳の上に倒れこんだ。

「ただいまー」
そのときよつばが帰ってきた。
二人は慌てて起き上がり、身繕いをする。
「えーと、∫f(x)dxが鎌倉幕府でー」
「あー、ふーかがいるー」
「こんにちは。よつばちゃん」
「帰ってくるの早かったな」
「おなかすいたー」
「えっ、そんな時間か」
「とーちゃんとふーかなにしてた?」
「あ、あのね、お父さんに宿題教えてもらってたの」
「しゅくだいかー。こどものしごとなー」
「昼飯はそうめんでも茹でるか。風香ちゃんも食べてったら?」
「うーん。ごちそうになりたいけど、今日は帰ります。その宿題終わらせたいんで」
「そうか、それじゃまたおいで」
「はい。よつばちゃんまたねー」
「バイバーイ」

 風香は家に帰り食事を済ませ先ほどの宿題を広げるが、まったく頭の中に入ってこない。
あきらめて自分の部屋のベッドに横になり、先ほどのことを思い出す。
(小岩井さんにキスされてから、何も考えられなくなっちゃった)
(もしよつばちゃんが帰ってこなかったら、私たちどうなってたんだろう)
(いいのかな。ついこのあいだ付き合い始めたばかりなのに)
いざそういう状況になると、心配になる風香であった。

 同じころ、こちらも食事を終えた小岩井が、風香のことを考えていた。
(最近の俺は流されやすいなぁ)
(いくら付き合ってるとはいえ、風香ちゃんは高校生じゃないか)
(もっとゆっくり進めることにしよう)
しかし小岩井も風香に関しては、大人の余裕を失ってきていた。

 そして次の日。
「それじゃ、お隣に回覧板回してくるねー」
風香は小岩井家へ出かけていった。
それをあさぎと恵那が見ている。
「風香お姉ちゃん、最近毎日よつばちゃんちへ行ってるね」
「よつばちゃんが毎日こっち来てるから、おあいこじゃない」
「あさぎお姉ちゃん、そういうことじゃなくて」
「わかってるわよ。恵那、よつばちゃんを呼んで来て」
「うん、行ってくる」

「こんにちはー」
風香は小岩井家のチャイムを鳴らし、家の中へ入っていった。
「ああ、風香ちゃん」
「ふーかだ! こんにちは!」
「こんにちは、よつばちゃん。はいこれ。回覧板です」
「いつもありがとう」
そのすぐ後に恵那がよつばを呼びに来た。
「こんにちはー。よつばちゃん遊ぼー」
「あっ、えなだ! とーちゃん、おとなりいってくるー」
「おとなしくしてろよ」
作品名:風香の手帖 作家名:malta