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くどうらむね
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novelistID. 41949
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眠らない星に睨まれる夜。
夜空を汚す地上のネオンを
小さな雲がけなげに拭う。
哭いてた犬は気が済んだらしい。

風がぬるい。
理由もなく海が観たい。
例えば波に叱られたい。
波ならきっと叱ってくれる。

懐中電灯で地図を照らした
あの時のように星が睨む夜
例えば何かを無くしても
言い訳や逃げはまだ知らなかった。

風がぬるい。
理由もなく夜が優しい。
眠らない星に睨まれる夜を
哭いてた犬がおとなしく仰ぐ。

不眠症の星が
氷河を呑み込んだまま睨んでくる。
哭いていた犬は無知を悟り
なんだか気が済んだような溜息を漏らす。

答などない夜に
もう少しだけのさばる言い訳をみつけて

哭いてた犬が静かに眠る。
静かな静かな寝息をたてる。
犬にさえ妙に優しい風と
なんだか妙に雄弁な夜に。




3/30…2008
飛べない夜