$ωee+ αs dynαmi†e
眠る睫毛を濡らした夢が
月と一緒に沈んだらしい。
真綿のような溜息を ちらかしても
優しい夜には戻れない。
焼べた炭のような朝がくる。
じき、輝ける秩序を鼻先に掲げて廻るだろう。
眠る睫毛を濡らした夢が
優しい夜と駆け落ちしたらしい。
産まれたての溜息が教えてくれた。
キミが忘れ去ってしまうからだよ、と。
烙印のような朝がくる。
水平線の荒狗路に松明を並べ
獲物を街に包囲するだろう。
悲しかったのか
愛おしかったのか さえ
わからないほど
この胸から痛みを拾い集め
睫毛だけ濡らして 去っていった夢
戻ってきてくれたら
また胸が痛むだろうか
そしてまた
蓋をしてしまうだろうか。
眠る睫毛を濡らした夢に
かける言葉もみつからず
朝の秩序に連行される。
定時の警笛が鳴る。
11/19…2007
nightmare
作品名:$ωee+ αs dynαmi†e 作家名:くどうらむね