ほぼ週刊 ほぼレトロゲーム通信
第62回 中2的ヨッシーのたまご FC パズル
異形なる栗型の怪物、ケタケタと壊れたように嗤う魔咲の華、十の手をこちらに伸ばす白い肌の魔物の瞳は仄暗い。
敵は三匹か、と身を構えた刹那――――背筋をゾクリとした感触が走った。
仰け反るように振り返ると、そこには耳まで裂けた口を大きく開いた亡者が居た。
ギアナの大穴を彷彿とさせる深淵たる腔に、俺は飲み込まれる事を覚悟した。
「そう身構えるな。何もお前を喰らおうとしている訳では無い」
「ならば……何故……?」
そんなに大きく口を開いているんだ。
俺の疑問等お見通しと言った様子で、亡者が再び音を空気に乗せていく。
「嗤ってるんだよ、哀れなホモサピエンス」
「っ!?」
次の瞬間――――俺の手には卵が握られていた。
“憂懼は封印すべし”
脳内に声が響く。
“憂懼は封印すべし”
それだけで、十分だった。
俺は卵を握りしめ、四匹の異形の存在へと向き直った。
「俺達人間が……いつまでも狩られてると思うなよ……!」
「なっ! そ、その……卵は……!」
獲物からイェーガーへ。
変容した俺の腕が長く伸び、奴らを次々と捉えていく。
「グ、グァ! グァァァァァァァッッ! こ、こんな……こんなバカなぁぁぁぁぁぁぁっ!」
安い断末魔だ。
畏怖した存在はもう居ない。
あるのはただ――卵の為の餌。
これで……これで全てが終わる。
捕食される未来は、もう無い。
「ふぅっ」
安堵の息を漏らした時だった。
ピキッと言う軽い音が、魔物を封じた卵から聞こえた。
“卵は世界だ、生まれようと欲するものは一つの世界を破壊しなければならない。 鳥は、神に向かって飛ぶ”
デミアンのかの有名な一説が脳裏を過る。
「ま……さか…………まさかっ! そんなっ!」
そして俺は全てを理解した。
突如現れた異形の者共。
それらを餌として封じた卵。
そうか……、全部……全部お前が仕組んだ事だったんだな……!
掠れる声でそいつの名前を静かに零す。
「……ヨッシー」
パリン! と卵が割れる音がした。
※ホモサピエンスは自分で書いてて笑ってもうた。
今週買ったゲーム
なし
マジックキャッスルをひとまずクリア(シール100枚)
やりこみはまだまだ出来るで〜。
このゲームディズニー好きかつ、牧場物語的な物が好きな人には本気でおススメ。
ただ相変わらずのフリーズ(強制終了)の多さ。
1ほどでは無くなったけど、それでもクリアするまでに3回強制終了、1回フリーズしたわ。
1はしょっちゅうフリーズしてたので、まぁマシにはなってるけど、そこがなー。
一番イラっとするじゃんね、フリーズとかって。
でもそれを補っても余りある楽しみを頂けたわ。
有難うマジックキャッスル!
作品名:ほぼ週刊 ほぼレトロゲーム通信 作家名:有馬音文