廉歌
初めて君をみたのは
やっと風が
新芽を揺すって起こす頃でした。
頑なで
小さい君は
なかなか僕に
顔をみせようと しませんでしたね。
やっと、あの
甘い笑顔がほころんだ時も
君は
友達の陰にかくれたままで
それでも
嬉しかったんですよ
君の微笑みは
とても懐かしい香りに
はっとするほど似てたんですから
今
食卓に
ちょっと ふてくされた顔で座る君に
あの頃の面影は ありません。
あの儚げな 姿が
気が付けば ふっくら しわしわで
だから
どうとか
それは今更申しませんが。
君のいない食卓は
さぞかし 寂しいでしょうね。
くちづけると
君は
今でも あの微笑みみたいな
懐かしい香がします。
3/19…2007
salty plum