壱区公園の橋の上
今はただのなんでもない日を
必ずお祝いしようと思う。
この日の為に 高いお酒を探そう。
この日の為に おいしいケーキ屋さんを探そう。
テーブルを
果物と お花で飾って、
午前中に美容室にいこう。
誰も呼ばず
上機嫌で
いつも焼いてる バターロールを焼き
とっておきの紅茶の封を切り
白髪まじりの私は
テーブルと鏡の間を 何べんも往復するだろう。
息子は良縁に恵まれただろうか?
娘には気付かれるかもしれない。
だけど 隠居生活が板についてきた もうひとりの主役は
きっと 寝ぼけた顔で こう尋ねるに違いない。
「…何の日?」
あなたと過ごした日々が、
あなたなしで過ごした日々を超えたお祝いよ。
ありがとう。
ありがとう。
わたしは世界一幸せな妻よ。
…3/07 2006
2030年 11月25日。