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葡萄と孤独

古くなった葡萄を洗った
ぽろぽろと房が崩れた
載せたお皿から落ちて転がった
転がる葡萄を追いかけた
また葡萄がこぼれた

葡萄が転がった
葡萄を追いかけた
笑いがこみあげてきた
箸が転げても笑うというあれだった

葡萄を拾った
笑いながら拾った
オレもお年頃かもしれないと笑った
葡萄を拾った
そんな緩やかな孤独だった

葡萄を食べた
熟成した甘さだった
ワインにしたいと思った
夜にワインを飲もうと思った
そんな自由な孤独だった