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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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星の薫り

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9月の夜空は虫たちの声が聞こえる

昼間の暑さはどこに行ったのかと思うほどに涼しいのは

虫たちの高い音階の音色のせいかもしれない

ときどき車の走る音も聞こえるが

虫たちはそれには驚いた様子もなく鳴いてくれている

空には月も星も見える

昨日もその前も見えていたのだろうが

ぼくは随分と観ない気がしていた

ゆっくりと星を観れば薫りがしてくるような気になる

ゆっくりゆっくりと感じられる

遠い夜空の記憶

何光年の光が今届けられたように

君とぼくの光は飛び立ったままここには戻らない

けれども

星を観ていると思いだしてしまう君の薫りを

カサブランカの大きな百合の花を

身に纏う君の姿

ぼくの身体から抜け出した君への想いは

いまも宇宙を漂っているのだろうか
作品名:星の薫り 作家名:吉葉ひろし