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或虎

novelistID. 41746

球体地獄

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しまつ

とぷん

と音をたて

海に沈んでいく

だらしなく伸びた髪の毛が海草のように揺らぎゆらゆら

とん

着底の音

夜の海は暗渠

見上げるとくぐもった月

吹き降ろす温度の無い潮が

ワカメのような髪の毛を視界に覆せる

「床屋にいきたいなー」

と発すると

ごぼごぼ

と時価ウン万円のＯ2が

蕩けながら上昇し海面で失せる

むずむず

むずむず

コンクリートで固められた

足の音

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作品名：球体地獄　作家名：或虎