球体地獄
平面なる日々に尖った悲しみ
平面死しそうになる午後
二次元太陽が一枚絵の青空で
殺気に満ちた笑いをその黒点に宿す
僕は今平面
立体感のない人生を
のっべりと過ごしていたら
ついにこうなってしまった
地球は球体ではなく
一枚の紙キレ
僕はそこに走り書きされた
卑猥な落書きの一行
なんてナンセンスなんだ
為す術なく何のセンスもなく
この生を何とせんとすべきかも分からないまま潜水してしまいそうな僕
のっぺり
会いたいと思う人もいない人生
X軸とY軸の適当な座標に
自分を表しめ
それをずらしては
生きているんだと宣う愚か
僕は立体を拒む
このまま平面のまま
死を迎えたく候
立つことを拒む
このまま平面のまま
詩を書き続けたく候
最愛の乳房さえも
平面であれかしと願うよ
この脆い男の精神
三次元に存在してしまえば
きっと泣きじゃくってしまう候
アパートの密室
トリックのない殺人
闇のもがりに狂い死ぬよりは
平面のまま
僕という存在自体が
架空の人物であったかのように
最後のページに生き着きたいと
願っています
すべて
強がりなのですが
その痛ましさは
ぴょこんと飛び出て
僕の唯一の立体となって
いつか誰かに刺さるでしょう
その日が
カレンダーの上に無いことを
祈りつ
鶴も折らずに祈(いの)りおる日々
徒然なる平面
題して
「平面なる日々に尖った悲しみ」