蒼空の向こう
「私・・・結婚したんです・・・」
「えっ!?」
「お腹に・・・あかちゃんが・・・」
僕は頭の中が、描き掛けの絵を洗い流したように白んだ。
全てがぼやけて、微かにしか見えない。何かがある・・・何かはあるが、それが何か分からない。
わずかに残された色彩を頼りに、立ち竦んだ。
「先生・・・・ごめんなさい・・・」
「謝らなくても・・・・・・・・」
「先生が・・・好きで、好きで・・・たまらなく好きで・・・会いたくて・・・淋しくて・・・辛かった・・・そんな時、優しくされて・・・」
「今でも優しくしてもらってる?」
「はい・・・大事にしてもらっています・・・」
「愛されてるんだ・・・・」
「はい・・・・」
「憶えてる?・・・・公園」
「はい・・・・・」
「一度でも良いから・・・誰かに愛されたいって・・・」



