Princess of the monster
ある日のこと。
いつものようにメアリーの洋服を着せ替え
お気に入りのお茶をいれて
木いちごのケーキを焼いていたメリーの王国に、一人の訪問者が来た。
彼は森で遊んでいて道に迷ったらしい。年はメリーと同じくらい。
メリーも国から出たことがないので、帰り道など知る由もない。
彼はこの城にいることにした。
それからの生活は、とても楽しかった。
人形遊びしか知らない王女に、彼はいろいろ教えてくれた。
狩りの仕方やブランコや弓矢まで作ってくれた。
今まで触れ合うことのなかった温もりに、王女は触れられた気がした。
自分はどうやら、この少年のことが好きらしい。
そう自覚したときに、何百年も前に魔女にもらった小瓶を思い出した。
「そうだ、これを彼に飲んでもらえばいいんだわ。
きっとそうよね、メアリー。」
作品名:Princess of the monster 作家名:通りすがり