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盟友シックスⅡ! ―BEYOND THE WORLD―前編

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第1章 新しいセカイとデアイ



「…っ!」
俺が目覚めたのはベッドの上だった
「気が付いたか」
目の前にいたのは俺と同い年くらいの少年だった
「ここは…?」
「ここはジャポーナ共和国のアヤベ村だ」
少年が答える
「俺は林 遼太郎(はやし りょうたろう)だ お前は?」
「宮寺… 宮寺 京平(みやでら きょうへい)だ」
「宮寺か 見たところ同い年くらいだが成人の儀は済んでいるのか?」
「…?」
「成人の儀を知らない… それにあの現れ方といい… お前この世界の人間じゃないな?」
「っ!? ああ、そうだ」
さらっと見抜かれ動揺しながらも答える
「やっぱりな 事情を聞かせてもらおうか?」
俺は事情を話した
「なるほど… 勇者として世界を救ったが時空の狭間に飲み込まれた、と」
「ああ できれば帰る方法を教えてほしいものだが」
「そんなの分からんが… 共に成人の儀を受けさせてやることは出来る」
林はそう言って俺を広場に案内した

「気が付いたのか?」
広場にいたのは4人の同い年くらいの少年少女だった
「俺を…知ってる?」
「当たり前だ 祭りの祭壇にいきなり光と一緒に落ちてきた奴を知らないやつなんてこの村にはいねーよ」
魔術師風の恰好をした少年が答える
「…自己紹介がまだだったな 俺は牧場 匠(まきば たくみ)召喚士見習いだ よろしく」
「俺は川本 優太(かわもと ゆうた) 見た通りガンナーをやってる よろしくな」
魔術師風の少年、牧場の横に立っている少年は背中に二本のバズーカらしき筒を背負っていた
「ぼ、僕は森先… 森先 弘樹(もりさき ひろき) よろしくね…」
おどおどした少年は細身の槍を握りしめていた
「私は下野 海見(したの かいみ) よろしくっ!」
二本の鞭を両肩にかけた少女は明るい性格のようだ
「改めて自己紹介しとくぞ 俺は林 遼太郎格闘が得意だ」
「で、お前は?」
牧場が聞く
「俺は宮寺… 宮寺 京平だ 剣士をやっている」
「そうか よろしくな」
握手を交わし俺は恐らく仲間に入れたのだろう
「成人の儀っていつだっけ?」
「明日だ それまでに宮寺は村長に挨拶しとけよ」
川本に促され俺は林と共に村長の元へ行くことになった

「ほう、君が空から落ちてきた者か」
「ええ 宮寺と言います」
「うむ、話は海見から聞いている」
「…へ?」
「あいつは私の娘でな 使いとして星スズメを同行させているからそういう情報はすぐ伝わるのだよ」
{星スズメはよく使い魔として使われる小型の魔鳥だ まぁ害どころか攻撃能力はくちばしぐらいなんだが}
林が耳打ちする
「なるほど… じゃあお願いしたいことは分かっているんですか?」
「ああ お前に成人の儀を受ける権利をやろう」
「感謝します」
「今日は林の家で休むといい」
俺は林と共に家に帰った
その晩…

コンコンッ
ベッドの脇の窓を何者かがかすかに叩く
眠れずに寝転がっていた俺が窓を開けると入ってきたのは黒地に白い腹…ツバメのような外見にいくつか星のような黄色い羽を持った鳥だった
(チュンチュン私は星スズメ 村長の使い鳥です)
「ああ 村長から話は聞いている …で、何の用だ?」
(この村にはとある伝説があります ある時世界は魔王によって闇に包まれてしまいました でもある時空から光と共に降りてきた勇者がこの村の勇気ある5人の若者と共に魔王を封印し元の世界に帰って行ったという)
「…それと俺に何の関係が?」
言いたいことは薄々感じ取った俺はわざとらしく聞く
(その勇者はこう言い残したと言われています 「再び魔王が現れたときもう一度勇者はこの村に私と同じように現れるだろう」と)
「俺に魔王を倒せと?」
(そうです お願いできますか?)
「いいだろう もしかしたら帰る方法も分かるかも知れないからな」
(ありがとうございます それでは私はこれで)
星スズメは窓辺から飛び立ち夜の闇に消えた
(鳥目って嘘なのかな?)
俺はそんなことを考えながらいつしか眠りに落ちていた…