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アグネシア戦記【プロローグ】

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ここは―【中央アグネシア大陸】―この大陸で最も大きく一番の権力を象徴とする巨大な都市と暴君がいた。都市の名前は【セクマディ】といい暴君の名前は【ジョージ・アレキサンダー】という。現在では魔王と呼ばれる暴君だが、元々はしがない旅の戦士であった。それがある日突然。セクマディの王座を奪取すると、逆らう者達はたとえ他国であろうが自国であろうが皆殺しにするという政治を始めた。魔王は手始めに軍を率い、セクマディに古くから対立していた隣国【ゼヌディクト】を奇襲に近い攻撃で制圧し、その国の民達を見せしめとして女・子供であろうと容赦なく斬首するという残忍極まりない処刑を行った。そして切り取ったその首を、中央アグネシア大陸に散らばる国々に送り付けて宣戦布告を表明し、その後にアグネシア統一を掲げて、無益な進攻を開始した。

それを受けた他の国々はセクマディと魔王の行いに反発し、アグネシア連合軍を結成する。それによりアグネシア戦争が開戦した。

始めは魔王軍の兵力80万を遥かに凌ぐ1000万もの兵力を持ったアグネシア連合が優勢だと誰もが思い、信じていた。

しかし、魔王軍は桁外れに強かった。そんな魔王軍の前に一つ、また一つと国が敗れ去り滅んで行った。そうして魔王軍は、たった一年という短期間で中央アグネシア大陸の約80パーセントを侵略し、現在に至る。

残りの20パーセントは二つの国である。

一つは魔王の軍勢ですら容易に突破する事が出来ない堅牢な城壁と優れた兵隊を持った大国【聖霊都市アレクセイ】。もう一つはアグネシア大陸で唯一セクマディに対立する規模も小さく弱小な国【ネビル・アグネシア】である。
魔王軍に領土を次々と削り盗られ、兵力の半数以上を失い。いつ攻め落とされてもおかしくない状態でありながらも滅んだ国の民や敗残兵をかき集め魔王討伐連合を設立し、最後の抵抗を見せようとしていた。

ある少女が来なければ―魔王討伐連合は壊滅し、中央アグネシア大陸はセクマディにより統一され、混沌と化していたであろう。

…その少女の名前は【フリル・フロル】(当日13歳)。