ひとつだけやりのこしたこと
さとみ 2009年9月
おかばすの花の下で 想いだしたよ
泣いていた日々のこと
立ち上がれなかったよ 歩けなかったよ
傷ついていないふりをするだけで
精一杯だったよ
でも いま わたしはここにいるよ
大好きな人のところにいるよ
それはずっと前からだったのかしら
涙を流していない時も
こころは泣いていたのかしら
悲しいことにもつらいことにも
慣れなくちゃいけないと
ようやく踏みとどまっていたのかしら
だからあなたに会えた時
信じられないほどたくさんの
涙があふれたのかしら
そうしてささえられながら
長い道のりをわたしは歩いた
かぼちゃの苗にはげまされて
わたしは大胆になろうとしているよ
しあわせになっても
わたしのしあわせに向かって
自分の足で歩いても
いいんだよね
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これもメールで送った。
夏に来た時の彼女の気持ちになって。
ここでは詩の題は「さとみ」と変えたけれど、元はもちろん本名。
作品名:ひとつだけやりのこしたこと 作家名:つだみつぐ