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奥野沙知子
奥野沙知子
novelistID. 41066
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あの日にかえりたい~第二章 恋の終わり~

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口ごもっちゃいけないとこで
秀人が口ごもるから、
なんだか泣きそうになる。



"やめてよ…そんな言い方は。
好き、なんて思ってもないくせに"

自分でも信じられないくらい
嫌な言い方をしてしまって、
目を合わせていられなくなった。


"思ってもない、って、なにそれ
僕は…ちゃんと好きやったのに。"

弁解する、みたいな
秀人の真意が読めない。

"違うよ、私の言ってる好きは
友達とか仲間同士としてじゃなくて"

"恋愛感情としての、やろ?"

淡々としたその声に
やっと秀人の目をみた。

彼は真剣なまなざしだった。

そして、
ぽつり、と呟くみたいな言い方で。

"僕だって
恋愛感情でサヨさんをみてた"


空気が変わる。

"うそ。
そんな風にアプローチされた
覚えなんてない"

こういう時、素直になれない
自分の性格が嫌だ。


秀人の視線が、私から離れた。

"…ふ、そうやな。アプローチはうまくできんかった。自分なりに、伝えてるつもりやったけど、半面気づかれないようにもしてしまってたし"

"気づかれないように…?"
私は彼を見た。視線は合わない。


"本気で怖かったんや、サヨさんに
好きな気持ちがバレるのが。
あの時、あの状態で叶うわけないって
わかってたから"


はは…
秀人の乾いた笑い声が響いた。



いろんな言葉が脳の中を錯乱する。



私はもう、
頭の中が真っ白だ。