Beautiful Nightmare
まるで霧がかかったみたいに、
視界は虚ろに何かを映し出している。
銀色の流れるような髪に、
優しく微笑む顔。
もう少し霧が晴れれば見えるのに。
手を伸ばして、霧を払おうとしても、
霧は一層濃くなくなって、微笑む顔も遠くなる。
あんたは、誰なんだ。
いったい、どこにいるんだ。
何度、問いかけても返事は返ってこない。
霧の向こうで、優しく微笑んでいるだけだった。
やがて、渦を巻くように周りの景色はどこかへと吸い込まれ、
視界を覆うような暗闇が現れる。
さっき見えていた霧も、優しく微笑む顔も、
銀色の流れるような髪も、何もかも見えなくなる。
元々、確かなものは何もなかったはずなのに、
こうなって、自分が独りなんだと気づかされる。
怖い。
目を伏せたその時、世界が再び白い光に包まれる。
夢は、いつもここで終わる。
作品名:Beautiful Nightmare 作家名:びゅーてぃふるないとめあ