俺と君の円舞曲~優しさ故の傷跡~
プロローグ
「うぁあぁぁあぁああぁぁぁぁぁああ!!」
幼い頃の俺は一心不乱に、無我夢中に刀を振るった。
今でも覚えてる。
刀を通じて俺の手に伝わってくる肉を、骨を、血管を、神経を、人間を斬る感触。
気持ちが悪い。
もう嫌だ。
もうやりたくない。
もう斬りたくない。
もう殺したくない。
だが、それは許されない。
俺があそこでやめてしまったら、間違いなく俺は死んでいただろう。
俺は死にたくない。いや、死ねない。
自由をこの手に掴むまでは。
そして六年前、やっと自由を手に入れた。
もう誰にも渡さない。
絶対に・・・・・・・。
作品名:俺と君の円舞曲~優しさ故の傷跡~ 作家名:十六夜