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藤枝 真緒
藤枝 真緒
novelistID. 32347
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メトロノーム

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今日は彼女と買出しデート
たまたま行ったデパートは見慣れない店もあったり

雑貨屋でペアのマグカップ買って
本屋で新刊見つけてちょっと悩んで
入りやすいカフェで食事して

同棲して二年…
彼女の好きそうな店は
把握しているつもりだったけど…

いつもは寄らない楽器屋で彼女の足が止まる
視線の先にあるものは規則正しくテンポをとっていた

彼女の興味のあるものはすべて集めてあげたい
だから木製の小さなメトロノームを買った

コスメショップでどっちが良いか聞かれても
僕には両方とも似合って見えるから
「両方」って答えたけど、それではダメだと怒られて

地下の食品売り場で一通り買い揃えた後
新しいスイーツの店を発見したから
そこでご機嫌とりの苺タルトをテイクアウトした

家に着いて今日買った物を全部しまう
夕飯を食べて風呂から上がって
ソファーに仰向けで寝そべってると
彼女が僕の胸に耳を当ててきた

・・・・・・

さっきから耳を当てたり離れたりの繰り返しで
体を起こそうとしたら
「ちょっと待ってね、調整中だから」って
…なんなんだろ?

「何してるの?」
「だめだめ!動かないで…もぉ、少しだから」

カチッコチッカチッコチッ…
時計の音…なんか近いなぁ…
TVをつけようとリモコンを探すのに
視線を床に向ければ、見慣れないものが視界に入る

今日買ったメトロノーム…
どうやら彼女は僕の心音に合わせているらしい

「あれ、テンポ速くなった;」

そりゃそうだ
こんな風に使われるなんて予想もしてなかった

また僕から離れようとする彼女を抱きしめて
腕の中に閉じ込める

僕にとって君の代わりが無いのと同じで
君にとっても僕の代わりなんて無いといい
作品名:メトロノーム 作家名:藤枝 真緒