雨
七月初日は雨
いい雨音
コンビニまで買い物にいく
山下清風のおじいさんが
古びた商店街の中を
ずぶぬれになって歩いている
でも
おじいさんに降る雨は
体を労るように降り注いでいる
杖をやさしく支えていた
ピンクの傘をさしたデート前の着飾った女の子は
駅への道を足早に歩いている
傘を体に纏うように身を包んで
今日の美しさが
流れないように
雨を睨んでいた
雨は一瞬ためらいを感じる
僕はといえば
サンダル履きだ
部屋に上がって
そっと雨の雫を
床に落とした
今日は雨
いい雨だ
君は
今どうしているのだろうか