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窓の外

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外から子供の声が聞こえる。冬の寒空の下で元気に走り回っている姿を想像して、少しほほえんだ。あまり車がない時間帯の駐車場の地面をける、がりっざりっという音がした。
 電気ストーブで暖まった室内から、横で呆けたように外の風景を見せ続ける窓を眺めた。薄く白いカーテンがかかって、まるで別の空間のように思えた。真っ青であるはずの空が、白っぽく見えた。
 そういえば、自分があれくらいの子供だったとき、何をしていたっけ。と、子供の姿も見ていないのに勝手に考えて、ゲームばっかりしていたな、と思い出して目を伏せた。自分の面白味のない過去に、どうしようもなく無関心になりそうだった。臭いものにはふたをする。そんな感じのことを、頭の中で想像した。
 外、行きたいな。
 また子供の声が聞こえて寂しくなった。外へ行くのに着替えて、コートを着て、ストーブ消して、と考えて面倒くさくなり、体は早々に外へ行くことをあきらめた。
 白いカーテン越しの窓を視界におさめたまま、ゲームのコントローラーのボタンを押した。
作品名:窓の外 作家名:こたつ