窓の外
電気ストーブで暖まった室内から、横で呆けたように外の風景を見せ続ける窓を眺めた。薄く白いカーテンがかかって、まるで別の空間のように思えた。真っ青であるはずの空が、白っぽく見えた。
そういえば、自分があれくらいの子供だったとき、何をしていたっけ。と、子供の姿も見ていないのに勝手に考えて、ゲームばっかりしていたな、と思い出して目を伏せた。自分の面白味のない過去に、どうしようもなく無関心になりそうだった。臭いものにはふたをする。そんな感じのことを、頭の中で想像した。
外、行きたいな。
また子供の声が聞こえて寂しくなった。外へ行くのに着替えて、コートを着て、ストーブ消して、と考えて面倒くさくなり、体は早々に外へ行くことをあきらめた。
白いカーテン越しの窓を視界におさめたまま、ゲームのコントローラーのボタンを押した。