いざゆかんお馬とともに
パパがお馬を叩きます。歩け、歩けと叩きます。
お馬がぶるると言いました。お馬がいやだと言いました。
アタシは、なんでパパがそんなことをするのかわかりません。だけど、パパがそうしているから、きっと許されるのだと思います。いいこととか、わるいこととかじゃなくて、許してくれるのだと思います。
「ねえパパ、お馬がいやがってるよ」
「仕方ないだろう。仕方ないだろう」
なら、きっと仕方が無いことなのです。それはきっと、ワタシがお魚やお野菜を食べるくらい、仕方のないことなのです。
どうして、お魚を食べても責められないのでしょう。どうして、お馬を叩くとむずがゆいのでしょう。
でもねパパ、アタシ、だんだん楽しくなってきたわ。
作品名:いざゆかんお馬とともに 作家名:長谷川