誕生日に
小さな指には手に余る
包装紙をバリッと破る
あれこれ選んだものとも知らず
箱ひっくり返してうす紙のけて
白いサンダルがゴロリと床に
ブランドのタグつかんで放り投げる
この子にとってはタダの紙切れ
覚えたての短い言葉で感謝をあらわす
「あーと」
何倍もの感謝の気持ちが伝わっただろうか
こちらこそ
13センチの小さな足の女の子は
まだ2回目の誕生日を迎えたばかり
日々は楽しさに満ちあふれ
不安の陰すら見あたらない
とろける笑顔をふりまいて
幸せのおすそ分けをする日々
それとは知らずに
この子の背には
羽の跡があるかも知れない
抱きつく体を受けとめて
思わず小さな背を撫でる
どの様な縁に導かれて
私達のもとへやって来たのか
この子が歩く将来を
覗けるものなら見てみたい
ゲタを鳴らして得意気に歩く夏の夜の姿も
スニーカーはいて肩で風切る生意気な姿も
ハイヒール響かせて颯爽と歩く姿も
その先も
ずっと、ずっと先までも
覗けるものなら見てみたい
小さな足を前に想像するばかり