愛する妻へ
愛する妻へ
気に入ってくださったのね。
君はそう囁き返し、そして嫁いできてくれた。
あれからいろんなことがあったよね。
辛いことも悲しかったことも。そして楽しいことも嬉しかったことも。
他に、そう、二人の危機も。
僕は今も、しっかり憶えているんだよ。あの時、君が囁いた言葉を。
気に入ってくださったのね。
この言葉は、僕を信じ、身も心も―――
女の一生を、僕に委ねる君の決意だったのだね。
あれから幾星霜の歳月が流れてしまった。
だけど、僕は決して忘れなかった。
そして、今も忘れてない。あの時の君の言葉を。
気に入ってくださったのね。
僕は出逢った時から、そして今も。
また、これからも、君より・・・・・・気に入ってんだよ。
君のことを。
夫より