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PN悠祐希
PN悠祐希
novelistID. 37045
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より水夏な、DCPS霧羽・香澄ストーリー(ネタバレ注意)

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【エピローグ】



 白み始めた空の下、俺は、なぜか走っていた。
「…ったく、あいつの、何もないところからヤキモチを広げるという、迷惑極まりない特技、なんとかならんもんかね…」
 そう、俺のことを心配して学園まで迎えに来てくれた音夢に、明日美に頬っぺたにキスをされたところを見られてしまったのだ。
 そして、すべてを正直に話したところで納得してもらえるとも思えず、そのまま逃げ出したというわけだ。
 後ろからは、音夢が鬼のような形相で追いかけてくる。
 まったく、いつもはどちらかと言うと虚弱体質なのに、こういう時だけは俺よりも体力があるように思える。
 はあ…かったるい…
 と、進行方向に、こちらに背を向けて誰か立っているのが見えた。
「あ…あれは…萌先輩?」
 しかも、音楽室で会った時と同じ、白装束を纏ったままだった。
 それにしても、まだこんな所にいるなんて。
(まさか、途中で寝てたとかじゃないよな?)
 などと、色々な不安が頭をよぎった。
 とりあえず俺は、萌先輩のすぐ後ろまで来たところで走るのをやめ、声をかけることにした。
「萌先輩?」
 すると、萌先輩はゆっくりと振り返り…
「お待ちしておりました……純一さん」
(………え?)
 その言葉に違和感を覚えた俺は、先輩のことをまじまじと見つめてしまった。
 そう、先輩は俺のことを『朝倉君』と呼ぶ。『純一さん』などと呼ばれたことは、今のところ一度もない。
 それに、口調も、普段の間延びした感じではなく、ハッキリとしている。
 つまり、姿は間違いなく萌先輩だが、雰囲気はまるで別人のようだった。