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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)

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※※※

 未知流の右隣にいる、初日からトラブルを起こす彼女の名は、麻倉音緒(あさくらねお)という。ピンクのリ緊張する学生たちの中で唯一、テンションが高く、入学式が始まる前に廊下に並ぶのだが、前後のクラスメイトに話しかけて、先生に注意されたり、入学式が終わり、教室で自己紹介する場面では、

「歌手になるために、学校公認の音楽バンドを創りたいです!」

 ――無理だろ。

 学校公認って……そんなの、許してくれるわけがないだろ。大それたこと言う。バカなのかコイツ。それも自信に満ちた態度で言うものだからビビったものだ。オマエはゴールドなロジャーにでもなろうとしているのかとツッコミたい。

 それから担任である山丘(やまおか)先生から、必修科目だのマナーだののガイダンス時には、自分の噂を訊いていないのか、自分が彼女のほうへと顔を向けると微笑みを撒き散らして、ふふ!と小さく手を振る。女子が女子に手を振るってなんだよ、気持ち悪い! と未知流は、その顔を見るのもウザいので、凍りつくような無表情で教卓のほうへと向き直した。

 しかし、左隣にいるネオと一緒に来たあかりん(ネオのみ)こと、舞永朱莉(まいながあかり)をちらっと目があったとき、彼女はびくっとして急に未知流から視線を外した。

 二人は親友同士で、左側があの仕草をするということは、ネオも自分のことは知っているはずだ。それなのにあの態度……まるで、「そんなの関係ねぇ!」と寒いギャグと化した台詞、いや違う、「ないよ!」と末尾を変えたマジな発言を体現しているかのように、平然と太陽のような笑みで返すあの姿勢……。

 ――変なヤツ。

 そう思いながら、時間が進み、

「礼!」

 と、たちまち初日が終了。

 未知流はもらった資料と授業カリキュラムと選択科目の種類が記された冊子を鞄に入れる。

 まあ、自分が『特別』に見えると思われていること以外は、何も大きな事件はなく、事が終わる……。