「レイコの青春」 16~18
近年になってから特に注目されるようになりましたが、
現代病というわけではなく、旧約聖書などにも記述されるほど
古くから知られている病気のひとつです。
SIDSの原因をつきとめ、予防方法を確立するために、
多くの研究者が努力していますが、はっきりした原因は
いまだつかめていません。
今のところ、防御反射の異常などがその原因と考えられています。
乳幼児は、通常睡眠時に極短時間の無呼吸や
呼吸リズムの不整があります。
通常ならば容易にこの状態から抜け出せますが、
中枢性防御反射の未成熟などを起因として、
この状態から抜け出せななくなることが、
突然死に至らしめるという学説です。
厚労省では、
「それまでの健康状態および、既往歴からその死亡が予測できず、
しかも死亡状況調査および解剖検査によっても、その原因が同定されない、
原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群。」
と定めています。
日本では解剖を行うことが少ないため、本当は原因がわからず
SIDSだったケースが、窒息や急性心不全などと
診断を下された場合もあるようです。
明確に言えることは、SIDSは事故ではなく、病気である、ということです。
虐待や育児上の不手際とは、はっきり区別しなければなりません。
(19)へつづく
作品名:「レイコの青春」 16~18 作家名:落合順平