お姉さまとキャサリン2
人物
綾瀬恭子(19)
綾瀬舞(17)
綾瀬慎太郎(50)
綾瀬晶子(47)
○ 西麻布・高層マンション・全景(朝)
○ 同マンション・最上階・トイレの前
トイレのドアの前で綾瀬恭子(19)がいらいらして立っている。
恭子「ねぇ、キャサリン。はやくでなさいよっ」
舞(声)「おねえさま、女性のトイレは長いものですわ」
恭子がドアを蹴る。
舞(声)「こわい、こわいですわ、おねえさま」
恭子「うるさいうるさいうるさい!!」
恭子がまたドアを蹴る。
反応がない。
恭子がもう一度ドアを蹴る。
舞(声)「こわい、こわ・・・うふふ」
恭子「ん??」
舞(声)「しかも冷たくて甘いですって・・ふふっ」
恭子「あーーーー!!!」
恭子が自分の部屋に向かってダッシュする。
○ 恭子の部屋
本棚に漫画が一冊抜けたスペースとテルマエ・ロマエ2巻・3巻が並んでいる。
恭子「わ、私の漫画を!???」
恭子「トイレ、それもシャワートイレ・・」
恭子「はっ・・・」
恭子が自分の部屋を出て行く。
○ トイレの前
恭子「キャサリン!私の漫画トイレの中で読んでるでしょ!!!」
ドアをガチャガチャさせる。
晶子(声)「恭子ちゃん、トイレ壊すつもりなの??」
恭子「あっ、お母さん・・」
しょぼんとする恭子。
ガチャッと遠くでドアの開く音。
舞(声)「行ってきまーーーす!」
恭子が振り返る。
○ 同マンション・最上階・トイレの前(次の日)
舞がトイレのドアの前で立っている。
舞「お姉さま、昨日の仕返しですか?これ・・・」
恭子(声)「そうかぁ、今月はヘビロテ服特集かぁ」
舞「あっ、私の雑誌・・・」
恭子(声)「なんのことかわからないなぁ、キャサリン、うふふっあははっ」
無言で舞が立ち去る。
恭子(声)「もうちょっと粘ってやるか」
○ トイレ
恭子がMOREを読んでいる。
足音が聞こえる。
晶子(声)「恭子ちゃん、どうしたの?なにがあったの?」
舞「お姉さん、トイレから出てこないの・・」
慎太郎(声)「おいっ、どうしたんだ??」
舞「もしかして、あれがこないんじゃ・・」
慎太郎(声)「あれって、なんだ。あれって!!!!」
晶子(声)「恭子ちゃん、どういうことなの!!」
慎太郎(声)「となりの雅俊か?まさとしーーー!!!!」
恭子「え??え??え??私なんともないよ」
恭子がトイレから出てくる。
舞が抱きついてくる。
舞「よかった、心配したんだよ」
棒立ちの恭子。
慎太郎「いいはなしだなぁーーー」
晶子「どこが?」
晶子が慎太郎を見つめる。
慎太郎「まさとしが男になったのかと思ったじゃないかぁ」
晶子「パパ、そればっかり」
慎太郎「はっはっはっ」
恭子が唖然としながら慎太郎と昌子を見ている。
恭子「なにこれ、ねぇ、キャサリンどういうことなの?」
恭子が振り返る。
バタンとトイレのドアが閉まる。
恭子「キャサリン!!!!」
作品名:お姉さまとキャサリン2 作家名:桜崎春男